国破れて山河あり

2011.09.02 .19:15:39

福島、宮城に行く機会がありました。
東北にはあまり行った事がなかったのですが、
本当に美しい土地だと思いました。
福島の山間では、田んぼや畑と一緒に
ひまわりが咲き乱れている光景も目にしました。
目に見えない放射能に対しての対抗策であると言う意味を知ると、
その派手な光景も何故か切なく感じられます。


宮城県の津波の影響を受けたエリアに入り、
いくつかの驚きを感じました。
まずは、津波による被害エリアの大きさです。





小学校も完全に破壊されており、
その脇にはぐしゃぐしゃになった車が所狭しと並べられています。
よく見ると、一部の車には○や×のマークが付いており、
車が見つかった時に人がいたという印なのだそうです。





かつて駅であった所からの景色には
その面影すら残っていません。
いくつもの知識をもってそこに立つと、
津波でのとんでもない悲劇が心を揺さぶります。
もう一つの驚きは、たった半年前に起こった惨劇のあとにいながら、
知識と観察力がないと、そんなに悲惨な事が起こったというのが
よく分からないということです。
津波に破壊され尽くされた瓦礫は撤去され、
大きく山積みになり残っているのですが
建物が建っていた土地も、また瓦礫の上にも
葉っぱが生え始め、徐々に自然の景色と同化し始めているのです。





たまたまその日は、風が気持ちよく、多くの鳥たちが空を舞い
津波に耐えた巨木で羽を休めるのです。





瓦礫の山もまるで古墳のようです。
自然がとても美しい。
どこかでみた景色だと思ったら、
「天空の城ラピュタ」なんじゃないかと気が付きました。





つい最近、そこでとんでもない悲惨な出来事があり、
まだ悲しみが癒されていないのにこの様なことを言うのは不謹慎ですが、
こんな平和とも取れる環境で
そもそも人間の役割ってなんだったんだろうと思ってしまうのです。
宮崎駿はこれを作品にして、自分もすごく納得したよなあ。
自然に対する畏敬の念だとか、
文明に対する疑いは、八百万の神を信じる日本人には
なんだか妙に説得力のあるテーマですよね。
このような感情は知識というより、今まで生活して来た環境や価値観に
大きく影響しているのではと思います。
西洋系の人は一般的には自然を征服したがると言われています。
違った生活をしてきて、文化観・価値観も違う彼らが
そこにいたらなんと言っただろうかと考えました。
同じ景色を見ても、人により切り方・感じ方が違う。
商売柄、お客様の反応に対して考えたい気持ちが強いです。
クリエイターは自分の思いを深堀して表現するのだろうけど、
商売人というか、プロデューサーの立場では
ついついみんなどう考えるのだろうって気にする。
今回の福島、宮城視察はそんなところを思いっきり刺激してくれました。


2011-09-02 | | |

ガラパゴスTGS

2011.09.16 .18:43:29


    


東京ゲームショウ、通称TGSが開催されています。
数年前までは、TGSと言えばE3 と並び、
世界最大級のゲームショウでした。
かつてこのショウに来るのに、海外の業界人・プレスは
興奮したものでした。
最近、中国やアジア・欧州で様々なゲームショウが開催されており、
その相対的な位置が急激に落ちています。
それがどういう所で分かるかと言うと、まず、
業界人の会話による期待値は低く、
キーの人達が東京に来なくなります。
海外パブリッシャーのブースはなくなり、
中小プレイヤーに至っては欧米や中国・韓国のショウの参加に比べても
極端に低くなっているようです。
運営にも問題があるようです。
ビジネスデイ初日、事前登録をしたにも関わらず
30〜40分以上並ばないと会場に入れないという酷い状態でした。
他の海外のショウに比べても格段に高い参加費用のせいか
大手でも展示を見合わせる会社が続出し、
会場は寂しいものとなってしまいました。
他の海外のショウで見られる、ビジネスセッションや
投資家などを巻き込んだコンファレンスもなく、
ショウとしての魅力も乏しくなって来ているようです。
これは他の国ではショウ開催の専門業者が行っているのに対し、
日本ではビデオゲーム大手により構成されている
業界団体CESAが主催している為かもしれません。
TGSという画期的なショウを生み出した当時は進んでいた団体が、
時代の流れに対して対応に苦戦していると言うところでしょうか。
その中にあって話題を独占したのは
会場で最大のスペースを確保したグリーでしょう。
マイクロソフトやソニー以上のスペースに、
メディアも大きくグリーを取り上げました。
プロモーション効果はあったようです。
相対的にみると日本もまだまだ捨てたものではありません。
モバイル事業は世界に通じうる産業だし、
ソニーも任天堂も未だに大きな影響力を持っています。
パブリッシャーの規模だってブランドだって世界的だし、
モバイル事業にいたっては新しい芽もどんどん出て来ているのです。
TGSのような世界の檜舞台でその可能性が
更に伸ばせるようなTGSに進化してくれる事を願います。


      


 

2011-09-16 | | |

ジャカルタにて

2011.09.22 .12:12:10

 
     


     


今週はジャカルタに来ています。
世界で5本の指に入る人口を持ち、
そのマジョリティが若者であると同時に、
エネルギーと天然資源にも恵まれているという
日本からみるととてもマクロ構造的には羨ましい国です。
今回、実際に来てみて感心したのは、
思いの外開けているところでしょうか。
中国系、インドネシア系、イスラム系、インド系、キリスト教などの
多様な価値観と民族を一つの国に収めている感じが
良くも悪くも日本と正反対です。
良くこれでまとまるものだと感心します。
ジャカルタの街は活気に満ちています。
サイズ的には東京にだいぶ追い付いている感じです。
車のラッシュも激しく、恥ずかしながら、もう少し遅れていて
10年前の上海ぐらいかなと思っていましたが
かなり近代的。
購買力も十分あり、これで条件が揃えば
とんでもないゲーム消費国となるでしょう。
今はまだブロードバンドのインフラが遅れているのと、
スマートフォンがブラックベリーであること、
課金が殆どprepaidである事など、
一部のインフラのピースがない事から
マーケットは爆発していないのです。
MMOマーケットは大分立ち上がっているようですが、
モバイルは嵐の前の静けさです。
このような中、ローカルのデベロッパーもぼちぼち出てきているようです。
日本ゲーム企業も徐々に接触を始めているようで、
今後両国間で色々な関係が出来るのはあまりにも自明でしょう。
既に、ホンダや味の素などのメーカー系やエネルギー系の日本企業は
どんどんオペレーション・工場をインドネシアに移しているのですから、
それがゲーム業界にも当てはまると思うのです。
10年前に上海を訪れた時のワクワク感を久しぶりに思い出した旅になりました。

 

2011-09-22 | | |

開いて行こう

2011.09.30 .12:37:02


   


いま、日本の企業は変化の真っ只中にいます。
日本は不況と言われているけれど、
日本企業による海外へのM&Aは過去半年でみると
過去最高だそうです。
特に新興国への投資も大きく増えているようです。
また、ゲーム業界は、大手も含めてソーシャル化一色。
コナミ、バンダイナムコといった老舗ですら
大きくソーシャルに舵を切っています。
今や、変化に備える時代は終わり
変化のスピードを競う段階に入っています。
ゲーム業界は比較的ツイているなと感じます。
何故なら業態変化への逃げ道が国際化であれソーシャル化であれ
比較的近いところにあるのですから。
ご近所の音楽業界を見ると
既に3-5年前から産業変化が起き始めており、
CDのマーケットは低迷、かつ韓流の参入もあり
日本の業界全体で出口がなかなか見えない状況のようです。
個人的には、もう少し国際化を考えてもいいように思ってますが。
SMAPが初めて上海での公演を行ったという事ですから、
きっと対応を始めたところなのでしょう。
ゲーム業界はDeNA、Greeが途轍もない勢いで変化を牽引しています。
昔のゲーム業界の友人達が数多く両社に在籍していますが、
その誰もがその動きのダイナミックな様子を
興奮気味に話しているのが最近の定番会議になっています。
変化が起こっている時には、早く走る事もとても大切だけれど、
本質・軸足を見つめる事もとても大切だと思います。
それもより早く遠くに到着できるという視点を持ちながら。
当社も、起爆剤を仕込みます。


       



 

2011-09-30 | | |