マイケルジャクソンとスペースチャンネル5 その1

2009.03.04 .17:11:17

SPACE CHANNEL5私ががセガにいた頃(1998年くらいかな)、当時の開発本部長の鈴木さんから、連絡を受けました。


“マイケルジャクソンがセガに対して怒っているようなので、事情を聞いてきてくれないか”


高校時代から、マイケルの大ファンで少しミーハーな自分は二つ返事で会いに行くことを約束しました。ニューヨークのあるホテルで会うことになり、少しどきどきしながらマイケルが泊まっているフロアに着くと、どうやらそのフロアにはマイケルしか泊まっていないようで、ホテルのスタッフではない、いかにもガードマンらしき人がフロアに立っていました。アポイントの件を話し、部屋まで通されると、いよいよマイケル登場。こちらは、うれしさも手伝ってにこやかに握手をしたものの、次の瞬間からマイケルは怒り出しました。

“セガはマイケルを使っていろんなゲームを作ると約束したのに、全然作らないのはどういうことなのか”


・・・・・“はめられた”と、思いました。 
その2へ続く

2009-03-04 | | |

マイケルジャクソンとスペースチャンネル5 その2

2009.03.10 .15:59:04

Spacechannel5後から話を聞いたところ、どうやらセガが昔、マイケルとアーケードゲームを作った際に、色んなゲームの企画を約束していたようです。が、その後マイケルの奇行もあり、セガとしては彼を主役にしたゲームを作るという企画は無くなったのですが、マイケルサイドにはふらふらと色んなことを言ってことをうやむやにしていたのでした。

それに対し、マイケルは怒っていたのです。

自分の長年のヒーローから怒られて、汗は噴出し、頭がぐるぐるしながらも突発的に出てきたアイデアが、その時セガが作っていたスペースチャンネル5にマイケルをキャスティングするというものでした。マイケルに対して“実はセガはミュージカルのゲームを作っていて、エイリアンからダンスで世界を救うという内容なんだ。その中のとても重要な役割に登場してもらえないだろうか?”マイケルは大いに興味を示しました。当然、彼は主役を望んでいたのですが、今からゲームの主役のウララちゃんは変えられない旨を了解してもらい、その後ボイス取りなどマイケルに協力してもらわなくてはいけないことや、契約で問題にならないようにマイケルに契約の窓口の確認(なんと最終的にはマイケル本人にサインしてもらいました!)等、1時間から2時間、本人とミーティングをしました。

その3へ続く

2009-03-10 | | |

マイケルジャクソンとスペースチャンネル5 その3

2009.03.18 .18:13:07

マイケルと話をしてホテルを出てすぐに、当時のセガの子会社スタジオのUGA代表の水口に電話をかけました。Space Michael
実は、以前にスペースチャンネル5にいろんな有名ダンサーや俳優を出す構想は、水口とよく話していました。
“スペースチャンネル5にマイケルを出してくれないか?面白いと思うんだけど”。


水口は、最初冗談だと思ったようですが事情を話すと、“OK、みんなに相談してみる”とのことでした。
結局現場も、水口がマイケル好きであったため、スペースマイケルなどのアイデアも出てきて、なんとかマイケルの出演が決定しました。

その後、いろいろすったもんだはあったものの、マイケル自身とても一生懸命取り組んでくれました。1つのセリフに対していくつものパターンを送ってくれたり、自ら私の携帯電話に出来具合を確認するほどでした。ゲーム内の声は、彼の本当の声です。スペースチャンネル5のスペースマイケル。おもしろいところと、かっこいいところと、水口やUGAのスタッフがうまくブレンドしたように思いますが、どうでしょうか。

2009-03-18 | | |

異文化コミュニケーション:ゲームの作り方

2009.03.25 . 9:56:42

Inrtercultural communication


当社のクライアントは海外企業が多く、またゲームを作る際に、自社だけでなく多国籍のパートナーと組むことから、異文化コミュニケーションの毎日が続きます。最近は、海外と、いわゆる昔ながらの日本の作り方の間で頭を悩ませることが多いですね。
例えば、海外のゲームの場合は、まずゲームプレイを完全にデザインし、そこで面白さが確認されてから、次のステップに進むというのが常識となっています。(当然その確認がないと、商品がキャンセルことも多々あります) すぐにゲームプレイに取り掛かれるゲームエンジン(Unreal Engineが有名)を使用してゲームが作られているように思います。一方、日本は、とりあえずゲームを作り上げるのに必要なエレメントをすべて並行的に作成し、最後にゲームエンジンと一緒にゲームプレイを磨いていくという昔ながらのやり方です。最後の1ヶ月で飛躍的にゲームがよくなるという現象がよく起こります。
どちらがいいというのは厳密にはないのでしょうが、リスクマネジメントの観点からは海外のやり方がわかりやすく、また、海外のパブリッシャーと仕事をする時は、このやり方が常識であり、多かれ少なかれ彼等流を求められることになります。作り方や考え方の違いによる差を埋めるのは、簡単なようでかなり大変です。日本の制作サイドは、ディレクターを含めて職人気質の人が多いですから、なかなかやり方を変えたがりません。当然、海外の投資家たちはその状況にいらいらします。

国は違えどもみんなのゴールは、ユーザーの喜ぶ商品を作ることですが、仕事のやり方、プロセス、ビジネスサイドの期待値マネジメント(expectation management) 、また日頃の根回しを含めて、異文化コミュニケーションが日々行れてるという訳です。

2009-03-25 | | |

異文化コミュニケーション:世界観に関して

2009.03.31 .10:11:27

アニメ育ちの日本人は、発想が飛んで話がつながっても結構ついていけます。一方、映画育ちの欧米人(主にアメリカ人)は、結構まじめというか、日本人から見ると頭が固いというか、理屈、ロジックを世界観に求めてきます。

何のことを言っているかというと…、最近のゲーム制作事情です。今、幾つか国をまたいだゲーム制作現場で、繰り返し繰り返し問題になるのがこの世界観の違いです。例えば、巨大モンスターに巨大な剣が刺さっていたとします。日本のゲームデザインチームにとっては、アートワークがかっこいいと、ドラマチックな効果もあるためにあまり問題にされないことが多いのですが、米国になると、「一体誰がこの剣を刺したのか?」 「人間が扱うには大きすぎる」ということにすぐ気がつき、気になってしょうがなくなることもあるようです。

weapon

女性キャラクターも、日本的なかわいさがかなりのケース、(米国では)致命傷の欠点になることも多いようです。変にかわいいとゲームがまじめでないと取られたり、色気の方向によっては、作り手にその意思がなくても、キャラクターをゲイっぽい亜流として捉えるのです。また、コマーシャルの観点からはアニメ顔とリアル顔の微妙なバランスが難しい。この日米ギャップですが、ボーダレスの時代に反してどんどん広がっているようにも思えます。
クリエイティブに関する価値観でも日本はガラパゴス化しているようです。

 

2009-03-31 | | |

プロフィール

内海 州人
(Shuji Utsumi)



















★ソニー:経営企画室、Sony Computer Entertainment of Americaの創設メンバー
★セガ:Sega of America、セガ・エンタープライゼス執行役員
★ディズニー:インタラクティブアジア代表を歴任



☆クラッシュバンディクー(SCEA)
☆サクラ大戦, 2K Sports (セガ)
☆キングダムハーツ
(ブエナビスタゲーム)
などの作品にも係わる



・一橋大学卒業
・ウォートンMBA

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